「未経験歓迎!」の少年野球コーチング

野球経験のない(少ない)自分に何が教えられるのか・・・そんなお父さんコーチに!

練習は効率が命


2人のコーチ(ノッカーとボール出し)が10人近くを相手にノックをしている。そんな練習風景をたまに見かけます。

 

なかなか順番が来ないので、待っている子はおしゃべりしたり砂いじりをしたり。自分の番がきたときだけノックを受けて、また列の後ろに並んでおしゃべりの続き、、

ここまでひどくないにしても、少年野球の現場では非効率な練習がよく行われています。「練習量には自信があるのに上達しない。頑張っているのに試合に勝てない」そんなチームは、練習の効率化について一度考えた方が良いかもしれません。コーチが少なくて効率化なんて無理、、というチームにこそ効率化は必須です。

たとえば冒頭のように、コーチ2人で10人以上を相手にする場合。ノック組とティーバッティング組のように2つに分けます。ノックはボール出し無しで、カゴからボールをとって打ちます。捕るほうは返球無しで、捕ったら近くに置いた空のカゴにボールを入れます。人数が半分になるのでそれだけで受ける数は二倍に。そして返球なしにすることで暴投による中断がなくなるため、実際には二倍以上効率が上がります。

この方法は、外野ノックならより効果的です。距離が伸びるので、返球ありだとどうしてもテンポが悪くなり数をこなせません。返球なしにすれば回転数は飛躍的に向上します。送球の練習はキャッチボールでも出来るので、コーチの数が少ない場合は、捕ることに特化するのがノックの効率化のポイントです。

一方、ティーバッティング組も工夫次第でコーチ1人でも効率化できます。スタンドティーがあればトス役は不要ですし、防護ネットを使って子ども同士でやらせてもいいでしょう。コーチは全体を見てアドバイス役に徹することができます。

盗塁の練習で長い列を作っているのもよくある風景です。二盗の練習であれば、一塁ベースの後ろにもう2〜3個ベースを置いて3〜4人同時にリードとスタートの練習ができます。ベースが無ければカラーコーンでもOKです

それでも完全に待ち時間をゼロにすることはできません。その待ち時間さえ上達する時間にするために、子どもたちによくこんな話をしてました。「待っているときにも頭でイメージしてみる。その場で動いてみる。そうすれば人の2倍も3倍もやったことになるよ。うまい人はみんな待ち時間の使い方が上手なんだよ」

グラウンドを見渡して観察すれば、もっと効率化できることが見つかるはずです。野球経験が少ないコーチのほうが、先入観がない分その“無駄”に気づきやすいのではないでしょうか。子どもの集中力は長く続きません。1つの練習は長くても30分以内におさめるといいでしょう。短い時間の中でいかに中味を濃くするか。効率化をキーワードに練習内容を一度見直してみませんか?

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

低学年のフライ練習②

 

カラーボールを使って、ある程度フライを捕る感覚をつかんだあとにおすすめしたい練習法です。ボールは軟球を使いますが、いきなりノックだと打球がランダムで難しいので、ワンクッション挟みます。みなさんのチームに手動式のバッティングマシンはあるでしょうか?それをフライ練習に活用します。

やり方は以下の通り。
※マシンが無ければ手投げでもOKです。ただし、狙ったところにフライを落とせるコーチが投げてください。ノックでそれができれば理想ですが難易度高いです。

①フライになるようにマシンの角度を調整し、落下地点が40メートル前後になるよう設定する
②落下地点を中心に4箇所に印をつける(印をつなげると一辺10メートル程度の正方形になるように)
③マシン側から見て左上の印に子どもたちを並ばせる
④練習スタート。マシンを操作するコーチは「いくぞー」と合図してからボールを放つ

⑤先頭の子はボールが放たれてから落下地点に向かって走り、フライを捕る(子どもから見ると、左斜め前に走ってフライを捕ることになる)
⑥捕球したら近くに置いたカゴにボールを入れ、時計回りでマシン側から見て右上の印に移動する
⑦左上に並んだ子が全員終わったら、次は右上の位置からフライを捕らせる
⑧これを4箇所ぐるぐる回って繰り返す

この練習のいいところは、ボールの落下地点が決まっていること。捕球の難易度がぐっと下がります。それじゃ意味ないよ、と思われるかもしれませんが、カラーボールとはちがう軟球のフライの感覚を養うには非常に効果的ですし、「落下地点に向かって走る→止まる→構える→捕る」という一連の動作を反復練習できます。

これだけではありません。マシンから見て右下と左下の印からは後ろ斜めに走る形になり、背走の練習もできます。さらに、正方形の感覚を広げて落下地点までの距離を調節すれば、ランニングキャッチという難易度の高いプレーの練習も可能と、一粒で2つも3つもおいしい練習メニューになっています。

この練習でフライが捕れるようになったからといって、ノックのランダムなフライがすぐとれるようになるわけではありません。ですが、ボールが落ちてくる軌道や、走りながらキャッチする感覚を身につけることで、いきなりノックから始めるよりも上達のスピードが格段に上がります。

もちろん、このマシンのメニューでもうまくできない子はいます。カラーボールはおでこでヘディングできても、軟球はまだ怖いという子ですね。その場合はワンバウンドしてからキャッチでも良しとします。ワンバウンドキャッチができたら次はグラブに当てればOK、といった感じでステップアップしていけば、いつのまにか捕れるようになるはずです。

野球経験のない方ならわかると思いますが、フライを捕るのは大人でも簡単ではありません。子どもならなおさらです。恐怖心をもたないようにカラーボールから始めて、細かく段階を踏んで進めていくことを強くおすすめします。

 

ちょっと長くなってしまいましたが、今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

低学年のフライ練習法①

 

ゴロが捕れるようになったら次はフライ。といきたいところですが、低学年にとってフライは難敵です。落下地点の予測にはある程度の経験が必要なのと、上から落ちてくるボールにはどうしても恐怖心がでてしまいます。

 

逆にいえば、「落下地点に入る経験値」と「恐怖心の払拭」ができればフライを捕れることになります。そこでおすすめなのが、カラーボールを使った練習です。手順は簡単。コーチがカラーボールでフライを投げてそれをキャッチ、するのではなく、おでこでヘディングする。ただそれだけです。

 

手で捕ろうとすると、手を伸ばして体から離れた位置で捕ろうとしてしまい、よくない癖がついてしまいます。だから、おでこでヘディング。グローブでフライを捕るときもおでこの上辺りで捕ることになるので、落下地点への入り方や正しい位置でキャッチする感覚が自然と身につきます。ヘディングするのが怖いという子は、おでこの上にグローブを持つほうの手を置いてもオッケーです。

 

ヘディングに慣れてきた子には、前後にふってみたり、両手キャッチさせるなど、飽きないようにレベルを上げていってください。前回のエントリーで紹介した得点制を取り入れてもいいでしょう。「オッケーの声を出す」「落下地点に入る」「おでこの真ん中でヘディングする」あたりが加点ポイント。さらに「おでこでバウンドさせたあとに両手キャッチ」までできたら100点満点!としたら大盛り上がり間違いなしです。

やってみるとわかりますが、子どもたちは練習というより遊び感覚でキャーキャー言いながらフライを追いかけます。楽しみながら夢中になって、知らず知らずのうちに上達している。低学年には理想的な練習メニューだと思います。ぜひお試しください。

次回は、そこからさらに発展させたフライの練習方法をご紹介します。

では、今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。

低学年にはゲーム性を取り入れよう

 

少年野球のコーチの第一歩は、自分の子どもがいる低学年チームから始めるケースが多いと思います。

 

私も3年ほど低学年チームを教えたことがありますが、捕る投げるもままならず、野球のルールもろくに知らない低学年を教えるのはほんとに大変ですよね。話は聞かないわ、集中力は5分も続かないわ、すぐケンカするわ、、、忍耐力がずいぶん鍛えられました(笑)。

 

そんな低学年チームの指導には、高学年を教えるのとは違う工夫が必要です。私が特に意識していたのは「ゲーム性」を取り入れること。たとえばノックなら“得点制”にしていました。「両足を広げる」「腰を低くする」「右手をそえる」など気を付けるポイントを3つほど伝え、手でボールを転がし、3つのポイントができたかどうか100点満点でジャッジします。

 

最初は低い点数からスタートして、「はい60点。腰をもっと低くするといいぞ」「おしい!95点。右手がもう少しグローブに近ければ100点だぞ」みたいに徐々に上げていきます。得点の付け方なんてこちらのさじ加減ひとつですが、子どもはかわいいもので100点目指して必死にやります。誰か1人がすぐ終わらないよう、接戦になるように得点をつけていくのがミソで、100点が近づくと誰が一番乗りするかとても白熱します。

 

また、盗塁の練習をするときにはただ走らせるだけでなく、タイムを計測していました。そのうえで、スタートやスライディングのポイントを伝えると、少しでもタイムを縮めるために集中して話を聞こうとします。足の速さは個人差があるので、誰かと競うのではなく自己ベストを出すことに注力させると足の遅い子でもがんばって走ります。

 

低学年の子たちは「野球がうまくなりたい」という意識はまだまだ希薄です。なので、まともに野球を教えようとしても集中してできません。「楽しみながら、いつのまにか野球が上達する」練習メニューの開発がコーチの腕の見せ所です。今回ご紹介したように、点数やタイムなど具体的な数字にすると子どもたちはがぜんやる気になります。他の練習でも応用可能なので、ぜひいろいろ試してみてください。

 

では、今日はこれくらいで。

最後までお読みいただきありがとうございました。

グラウンドで一番大切なこと

 

前回のエントリーでは指導者の大事な心構えとして「学ぶ姿勢」についてお話をしました。では、グラウンドで実際に教えるときに大切なものは何でしょうか。

 

子どものことが好き。

教え方がうまい。

褒めて伸ばす。

etc.

 

どれも大事な要素ですが、私は「公平性」こそが最も重要だと考えています。

 

なぜなら、子どもから最も嫌われるのが「依怙贔屓」するコーチだから、です。恐いコーチでも依怙贔屓なしで誰にでも怒れるコーチは意外と嫌われません。自分が子どものころを思い出してみても、怒られたときよりも依怙贔屓されたときのほうが、指導者への反発は大きかった記憶があります。

 

上手い子には甘くて、そうでない子には厳しい。そんなコーチは間違いなく子どもたちから信頼を得ることはできません。信頼がないと、自分の伝えたいことの半分も子供たちはきいてくれません。これはなにも子どもだけでなく、私たち大人も同じではないでしょうか。依怙贔屓する上司は、軽蔑はしても尊敬することはできません。

 

少年野球でよくあるのが、主力の子とふだん控えの子が同じミスをしたときの対応の違いです。主力の子はドンマイで済まされるのに、控えの子は一発交代(懲罰交代)。このような指導をしていたのでは、主力の子は慢心し、控えの子はモチベーションを奪われるだけで、チーム全体の力は決して伸びるとは思えません。その悔しさをバネに、、という言葉は、機会を公平に与えられて初めて意味をなします。練習や練習試合では分け隔てなくチャンスは公平に与えてこそ、お互いが切磋琢磨し、公式戦でスタメンとベンチに分かれたときでも納得して全員野球で試合に臨めるのではないかと思います。

 

また、お父さんコーチの中には、自分の子どもにはやたらと厳しい方がいますが、それも公平さに欠けています。コーチとしてグラウンドに立っている以上は、子ども達全員のコーチです。同じように教え、同じように叱る。自分の子と変わらぬ熱量で接してみてください。野球経験の少ないコーチでも、公平に接することのできるコーチを子どもたちは慕ってくれます。そこが指導のスタート地点だと私は考えています。

 

それでは今日はこれくらいで。

最後までお読みいただきありがとうございました。

野球経験より大事なこと

 

「こんな自分が教えていいの?」

 

野球経験のない(少ない)お父さんコーチなら、必ず一度はする自問自答です。私もチームに入ったばかりのころは同じで、自分から何かを教えることなく、他のコーチをただ手伝っているだけの毎日でした。

 

しかし何年もやっているとわかってきたことがあります。中学・高校の指導者ならいざ知らず、少年野球の指導者にとって最も大切なのは「豊富な経験」ではありません。では何が大切かといえば、それは「学ぶ姿勢」だと今は思っています。

 

野球の技術やコーチングは日進月歩で変化しています。ちょっと前までフライはダメと言っていたのに、いまやフライボール革命の時代です。昔は多少の体罰は許容されていましたが、連日ワイドショーを騒がせているとおり一切許されない世の中になりました。

 

なのに過去の経験だけを頼りに、一切学ぼうとせず、古いままの野球観で教えている指導者が少年野球にはまだまだ多いと感じます。相手のミスを期待して「転がせば何かある」と指示する指導者。エラーをすると感情のままに大声で怒鳴りつける指導者。ケガや故障に無頓着で子どもに無理をさせる指導者。どんなに立派な経歴があっても、どんなに情熱があっても、学びのない指導者は子どもにとって害悪です。

 

だから、経験がなくても遠慮する必要はありません。これから学べばいいんです。情報は書籍やネットでいくらでも手に入りますし、技術的なことも少年野球レベルなら教えられるようになります。それでも難しいという場合は、技術面は他のコーチにまかせてもいいでしょう。子どもが楽しく取り組める練習メニューを考案したり、モチベーションを高める声掛けだったり、コーチとしてできることはたくさんあります。このブログでも主に技術面以外のコーチングについて紹介していきますので、よかったら参考にしてください。

 

今日はそろそろ失礼します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

スコアラーのススメ

 

「野球経験は少ないけど、なにかしらチームの役に立ちたい」

 

そんな熱心なお父さんコーチにおすすめしたいのが、スコアラーです。スコアラーは試合の経過を記録し、ときに監督に助言をするチームに欠かせない重要なポジション。細かな数字や記号が書かれたスコアブックを見ると「自分には無理むり!」なんて腰が引けるかもしれません。でも大丈夫。基本的なルールを覚えて、数試合実戦を重ねれば誰でも書けるようになります。

 

しかもスコアラーは、野球経験者ほど敬遠する傾向にあります。デスクワークより、カラダを動かして野球を教えたいという気持ちが強いのでしょう。となればここは、野球未経験者の出番です。

 

スコアラーをおすすめする理由は3つ。

 

【1】野球の勉強になる
スコアを書くにはあらゆるプレーやルールへの理解が必要です。「三振」「盗塁」のような基本的なものから「振り逃げ」や「フィルダースチョイス」のようなちょっと難しいプレーまで、ワンプレーごとに書き記していきます。最初は知らないことだらけかもしれませんが、スコアラー経験のある先輩コーチが丁寧に(厳しく?)教えてくれるはず。これが野球未経験者にはとてもよい勉強になります。

 

【2】チームでのポジションが得られる
スコアラーは試合には欠かせないポジション。自分から手を上げるコーチは少ないのでとても重宝されます。最初はスコアを書くだけで精一杯でも、慣れてくれば試合中に監督に助言することもできるようになります。スコアラーの一言がチームを救うことも少なくありません。

 

【3】過去の試合をリプレイできる
スコアが読めると過去の試合経過を事細かにたどることができます。チームでの振り返りに役立つのはもちろん、自分の子どもが活躍した試合のスコアをスマホで撮影しておけば、1試合まるまる思い出としてとっておくことができます。

 

すでにスコアラーがいるという場合は、セカンドスコアラー(またはサードスコアラー)という手があります。スコアラーが毎試合必ず出席できないチームでは、スコアラーは何人いても困りません。

 

ちなみに、スコアの書き方には「早稲田式」や「慶応式」などがあるので、チームで統一している場合はそれに従ってください。特に決まっていない場合は、「野球 スコア 付け方」などで検索すると、関連ページがいくらでもヒットします。自分にあったページで勉強してみてください。

 

そしていつしか「監督、このバッター、二打席連続でレフトに引っ張りです」「さっきセーフティしてます。バント警戒です」なんて試合中に発言できるスコアラーになると、もっと楽しさが広がると思います。ぜひチャレンジしてみてください。

 

今日はこれくらいで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。